データサイエンティスト育成講座 株式会社ブレインパッド

データサイエンティストになるための学習方法

日本国内で求められるデータサイエンティスト像


日本でも『分析力を駆使する企業』、『分析力を武器とする企業』などの著書で知られる トーマス H. ダベンポートは、DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(*)の記事において、「データサイエンティストとは、高度な数学的な素養を持ち、プログラミングに長けていて、好奇心旺盛で企業経営にも興味を持つスーパースターである」と述べています。

とはいうものの、必ずしもすべてのデータサイエンティストが、ダベンポートのいうスーパースターという訳ではないというのが、現実ではないでしょうか。なぜなら、そのようなスーパースターと呼べるような人材は、国内や世界規模でみても数えるほどの人数しかいないからです。
むしろ、そのようなスーパースターは一体どこにいるのか?という疑問が多く寄せられてきそうです。

データサイエンティストを目指す方法

我が国でデータサイエンティストの育成や社会に対する普及・啓蒙を行っている一般社団法人データサイエンティスト協会は、およそ1年にわたる集中的な議論の結果、2014年12月にデータサイエンティストの「ミッション、スキルセット、定義、スキルレベル」を発表しています。
それらによれば、データサイエンティストとは人間を数字入力や情報処理の作業から解放するプロフェッショナル人材であり、そのミッションは「データの持つ力を解き放つこと」であると定義されています。
ここで注意したいのは、「データの持つ力を解き放つ」を実現することの意味合いは、単純にデータを分析するだけではない、ということです。
自社やクライアント企業の大量データを解析して「何か面白いことが見つかった」というだけでは、データサイエンティストの仕事は半分しか終わっていないといえます。
分析の結果から、既存のビジネスプロセスを変革し、その結果から新しい価値を生んでこそ、初めて「データの持つ力を解き放った」ということになります。

逆に、データの持つ力を解き放つことができるのであれば、必ずしも深くて高度な分析は必要ではないということも念頭におくことが重要です。
巷には高度なデータ分析を実現するための情報やツールが溢れているため、ついそれらを試してみたくなります。
しかし、高度な分析を行わなくても、データを整理・統合して効果的に表現するだけでデータの力をビジネスに結びつけられる場合もあります。
このように、企業内のビジネス課題や具体的な問題に対して適切な分析アプローチをデザインすることの重要性も知っておくことが必要です。

世の中から求められているデータサイエンティストとは、単にデータを分析したりモデルを構築するだけにとどまらない、新たな種類のプロフェッショナルとして捉えることができます。

(*) DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 特集:ビッグデータ競争元年(2013年2月号)

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データサイエンティストになるには


これからデータサイエンティストを目指す人にとって、今後どのとうなキャリア形成が考えられるでしょうか。
ここからは、すでに社会人として働かれている方、これから社会人になる学生あるいは若手社会人に分けて、具体的な学習方法をご紹介します。

社会人の場合

データサイエンティストに求められるスキルセット」でビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力の重要性について記載していますが、これらの3つのスキルをバランス良く身に付けるのは非常に大変です。
特に、学生時代または社会人になってからのキャリアの中で、統計学やプログラミングと無縁で過ごしてきた人にとって、これらすべてのスキルセットを実務で使えるレベルまで短期集中で一気に習得することは大きな負担を伴うことと考えられます。

効率的に3つのスキルを習得するためにおすすめしたいのは、3つの力のうち主軸となる力としてどれか1つのスキルを系統的に学ぶことです。
残りの2つの力については書籍やオンライン教材、OJT(職場の実務を通じて学ぶトレーニング)などで習得しましょう。

その上で、ビジネス力に強い人、データサイエンス力の強い人、データエンジニアリング力が強い人をチームとして組み合わせて、組織能力としてデータ分析の力を発揮するというのが、比較的短期間でデータ分析組織を作るアプローチであると考えられます。
ただし注意してもらいたいのは、それぞれのスキルセットについてデータサイエンスに関わるメンバー全員が最低限の知識を持っていた方がよいということです。そうでないと、チームの足並みが揃わなかったり、意思決定においてデータサイエンティストとして正しい方向性を明示できないといった問題が発生する可能性が高くなるからです。

また、これらの3つの力に共通して言えることは、「座学だけでは身につかない」ということです。
「会社を変える分析の力」(2013年)の著者で知られる河本薫氏はデータを分析してイノベーションにつなげるには、「現場力」が必要だと主張しています。
ビジネスの課題を見つけるのも、分析結果を使ってもらうのも、現場に入り込んで現場を理解すること、現場目線で見ることが必要ということです。
つまり、社会人の方が新たにデータサイエンティストを目指される場合には、この「現場力」を意識した学習が重要となってきます。
身近にデータ分析課題やデータがある場合は、現場力を鍛える絶好の機会ということになりますが、自分の働いている時間を100%データ分析に充てることができる自由度の高いビジネスパーソンは皆無であると考えられます。
もし身近にそのような環境がない場合は、現場力を養うのに適した外部研修に参加することも有効な手段の1つといえます。

学生・若手社会人の場合

データサイエンティストは非常に魅力的なキャリアです。
それでは今の若い人がデータサイエンティストを目指す場合、何を学ぶべきなのでしょうか。
当然、前述の3つのスキルセットを現場経験を交えながら身につけることが重要なのは「社会人」と共通なのですが、それらのスキルは社会人になってからでもOJTを通じて学ぶことができます。

嬉しいことに最近では国内の一部の大学を中心に「データサイエンス学部」という体系化されたデータサイエンスの学問領域を学ぶことができる教育機関が開設され徐々に環境が整ってきていますが、入学して実際に学ぶことができる学生はほんの一部でしかありません。
そこでお薦めしたいのが、民間企業や公益団体が主催する実習やインターンなどを活用して、実際のデータを学習する機会を持つという方法です。
特に民間企業が主催するハッカソンやインターンなどのイベントはビジネス現場のデータを実際に触ることができる絶好の機会ですので、学生の方は特に積極的に参加することを心がけましょう。
加えて学生の方は、ご自身の学業、専攻する分野をしっかり学ぶこと、一般社会やビジネスのことを学ぶことができるアルバイト、海外留学の経験など、学生時代だからこそできることから積極的に見識を広める活動をお薦めします。

一方、若手社会人の方で特に事業会社にお勤めの方は、ご自身がお勤めの職場のビジネスや業界事情について、しっかり理解をして社会全体の中での位置づけや意義などを、自分の家族や友人にわかりやすく説明できるくらいの知識を身につけることから始めてみるのはいかがでしょうか。

データ分析を現場に展開する際に最終的な決め手になるのは、やはり「ビジネス力」です。
データサイエンス力やデータエンジニアリング力を生かす意味でも、せめて自身の職場の業界的な事情や知識、今後の展望をしっかり整理しておくことは、将来的にあなたがデータサイエンティストになったときに大きな糧になると考えられます。

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