データサイエンティスト育成講座 株式会社ブレインパッド

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人材育成・組織造りのあれこれ話|組織立ち上げ前・何故に分析組織を立ち上げる必要があったのか


2018年09月07日


こんにちは。
ブレインパッドの奥園です。

前回のイントロに続き、データ分析組織造りについて触れていきたいと思います。

 

現在はクライアント企業さまのデータ分析組織のビルディングや人材育成に携わっていますが、
実は私自身、前職で事業会社に勤務している時にデータ分析部署の立ち上げを経験してまして、
クライアント企業さまに提供するノウハウの殆どは当時の経験が源泉になっていたりします。

 

私が前職で組織を立ち上げたのが2004年~2005年なので今から13年前。
当時がどんな時代だったかというとデータマイニングという言葉が世に出始めた頃で、
データマイニング=人間が考えもつかないビジネス上のインサイトを出してくれる魔法の杖・箱的な謳い文句が世間に蔓延ってました。
何だか昨今のAIブームと大して変わらない気もしますが、
今と比較して決定的に違うのが、データ活用やデータサイエンスの参考書やビジネス書が潤沢にあるわけでもなく、
世間的にオープンになっている成功事例も少なく、独学と自力で何とかするしかない、まぁそんな時期でした。

 

時は流れて2018年。
データサイエンスの色々が進化している今のご時勢、13年前の古臭い経験値なんてマッチしないのでは?
と思われる方もいらっしゃると思いますが、
分析組織をドライブする上でのノウハウとして当時の経験値が意外と活用できることが多く、
技術が進歩しても人の集合体である組織内で価値を創造する術というものは、そこまで大きく変化しないのではと思っています。
分析組織のマネジメントで色々と苦労されている方の参考になればと思いつつ、
参考にならない方は、データ分析やってもなかなか上手くいかない時のあるあるネタに失笑いただければと思います。

 

ということで、
私が前職でデータ分析組織を立ち上げた際の出来事を紹介します。
いずれ支援事例も紹介する予定ですので我慢してお付き合いください。

 

まず今回は、~組織立ち上げ前・何故に分析組織を立ち上げる必要があったのか~をお届けします。
もともとはデータ分析に縁もゆかりもなかった人間なので、組織を立ち上げるまでの経緯を簡単に説明します。

 

文系の大学を卒業した後にデジタルコンテンツ系の専門学校を経て、
福岡のダイエットサプリや基礎化粧品を販売している通販企業に入社しました。
配属は広告企画部署で、入社早々に任されたのが新規顧客を獲得するために日々出稿する紙媒体広告に関わることのすべて。

 

もともとはデザイナー志望で制作路線を極めたかったのですが、
経営者の方曰く「制作だけやるスタッフはいらん。うちに入社したからには広告で売上を創るのが役割だ」。
ということで、専門学校で学んだAdobeのIllustrator(*1)やPhotoshop(*2)で広告を制作するだけでなく、
女性全国誌・拡販誌・新聞・フリーペーパー等に出稿する広告に関すること全般(何でも屋)をやることに。

 

当時は電話が受注チャネルのメインで、どの広告を見て注文したかを聞くことがコールセンターの鉄則。
出稿した媒体毎にレスポンス件数の結果が夕方に紙で出力されてきます。
その出力結果をExcelの集計表に入力するのも仕事で、まともにExcelを触ったのはこの時がはじめて。
集計表の結果から次回の出稿媒体を選別し、出版社・媒体社・広告代理店に枠の発注するのも私の仕事。
出稿した広告がポンコツでコールセンターの電話が鳴らない、売上も上がらない場合はすべて私の責任です。
となると、各媒体毎に掲載商品と訴求クリエイティブで得られた結果を読み解きます。
モニターに穴が空くほど集計表とにらめっこです。

 

うーん、このコピーはイマイチだな。。
ボディコピーも弱いしクロージングオファーも変更した方がいいかも。。
媒体審査でコピーを強められないけど、どうすんべ。。
あ、あの表現だったら審査通るしレスポンス取れそう!

 

と、媒体毎にどの商品と訴求クリエイティブを掲載するとレスポンスが最大化=売上を最大化できるのか、
過去の客観的な実績を基に出稿プランを練りながら常にブラッシュアップを図っていました。
今振り返ると、ある意味データ分析の入り口的なことをやってたなぁーと思いますし、
結果的に過去最高のレスポンス実績を得ることができました。
 
当時のレスポンスは凄まじくCPA(*3)換算で数百円はざらでメディアレーション(*4)が10を記録することも。
そんな好調な時期がずっと続けば良かったのですが、ある時期を境に広告表現の規制が厳しくなり徐々にレスポンスに衰えが表れはじめます。
外的要因も大きい中で会社の上に相談しても、
「今までやれてたんだから、何とかせぇい」と。。
確かに新規広告売上の責任は自分にあるし、コールセンターを遊ばせておく訳にもいかない。、
色々と悩んで思考した結果、レスポンスを回復させるために今までの単一媒体のみでの広告の概念を捨て、
TV・折込チラシ・webを連動させるのメディアミックス施策を企画しました。(当時、やずやさんがやってた手法の模倣ですけど。。)

 

メディアミックス企画では某大手広告代理店にパートナーとなっていただき、
その際にデータベースマーケティングの考え方で売上を構築する手法を教わりました。
要は新規獲得時の効率だけでなく、リピートによる中長期的な効率含めて戦略と戦術を練る必要があると。
今となっては当たり前ですが、当時は広告による目の前の売上の最大化とCPAを低く抑えることにしか意識がなく、
クリエイティブの善し悪しで左右されるレスポンスの結果に一喜一憂状態。

 

目から鱗でした。

 

この時から、新規の効率だけでなくリピート顧客のLTV(*5)を最大化することに関心が芽生え、
通販なので運が良いことに購買履歴や顧客マスタなどのデータは豊富に存在している状態。
でも、マーケティングの戦略にそのデータが活かされていない!
今までの広告手法だけに頼ってても埒が明かない!

 

会社の上層部に、
これからの時代、データ分析は必要っすよ!
データベースマーケティングを強化すべきっすよ!
それをやれる人が欲しいっす!
とシツコイほど発言していたところ、

 

「じゃ、お前やれ」と創業者から鶴のひと声が。

 

ということで、分析組織を立ち上げることに。

 

今回はここまで。
次回は、組織立ち上げ時以降について取上げます。

脚注:
*1 Illustrator:Adobe社のグラフィックスの加工アプリケーション
*2 Photoshop:Adobe社の画像の加工アプリケーション
*3 CPA:Cost Per Acquisitionの略で、ユーザー1人当たりの獲得単価を表す指標
*4 メディアレーション:売上額を媒体費用で割った指数
*5 LTV:Life Time Valueの略で、顧客が一定期間内にその企業の商品やサービスを購入した金額の合計

 

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