データサイエンスプロジェクトを成功に導くための6つコツと必要な人材を詳しく解説

 
AIの活用がビジネスで一般化したことにより、データサイエンスプロジェクトを実施する企業が増えています。プロジェクトを成功させるためには、課題の優先順位をつける、人材を揃えるといった事前の準備が必要です。この記事では、データサイエンスプロジェクトを成功に導くためのコツや、必要な人材と役割などを解説します。
 

目次

 

 

データサイエンスプロジェクトを成功に導くための6つコツ

ここでは、データサイエンスプロジェクトを成功に導くための6つコツを解説します。
 

解決すべき課題の優先順位をつける

まずはビジネスにおける課題を明確にしましょう。優先順位をつけることで、目的もなく闇雲に分析を進めて現場のリソースが不足するといった混乱を避けられます。

ブレインストーミングで優先度の高い課題を抽出し、それらを解決するためのプロジェクトを構築します。ブレインストーミングとは、複数人で集まって自由にアイディアを出し合う方法のことです。課題解決の優先順位は、すぐに解決できるか、実現可能か、ビジネスへの影響はどうか、といった3つの要素にもとづいて決定します。
 

現場で活用されるアウトプットを想定する

多くの場合、データサイエンスプロジェクトは売上増などのビジネス結果に結びつけることが最終目的となります。ビジネスラインに何かしらの影響を及ぼすことが期待されており、それが叶わないプロジェクトは結果として失敗という組織内評価を受けてしまう恐れが高くなります。そうならないためにも、分析結果をどのように組織に実装(人的・システム的の両面において)していくかを予め想定しておくと、分析プロセスや分析結果の表現方法が自ずと導かれていきます。

またデータサイエンスは追求しようと思えば、どこまででもできてしまう側面があります。予め精度目標など、どこまでのことが表現できれば現場実装を行うかの想定を立てておくことも重要なことです。
 

ビジネス部門と密に連携する

データサイエンスプロジェクトは、ビジネス部門を如何に巻き込めるかが成功の鍵となります。

データサイエンス部門が分析によって何かしらの素晴らしいアウトプットを作成することができたとします。しかし取り組んだ課題設定が組織にとって的を得ないものであったり、重要度が低いものであったりすると、せっかくのアウトプットも陽の目を見ないリスクが生じてきます。また、分析作業を実施していく過程においても、ビジネス部門が持っているドメイン知識を取り込むことによって、より実情にあった精度の高い分析アウトプットの提供も期待できます。さらに、分析で得られた知見を実際に使用してマネタイズを図っていくのも、ビジネス部門が担っていくことが多くなることが想定され、彼らが分析による知見を正しく認識し、実行可能性の高い施策立案に繋げるためにも、連携は必須と言えます。
 

アジャイル的なプロジェクト進行

当初段階から仮説を立ててプロジェクトを進行していくことは重要なことですが、最初に導き出した分析アウトプットで、プロジェクトの目的を100%完遂することは極めて稀です。比較的な未知な領域に対してチャレンジしている性質上、でてきたアウトプットをもとに、軌道修正を図っていくことが多々あります。

プロジェクトを構築する時点で、PPDACサイクルを複数回転させることを前提に計画を立てるようにしましょう。広いロードマップとビジョンに基づき、予算やリソースを確保しておくことで、プロジェクトのフェーズにあわせた定期的なアップグレードが可能になります。
 

社内理解を得るためのコミュニケーションを整える

データサイエンスプロジェクトを実施するにあたっては、社内の理解を得る必要があります。社内の理解がなければ、部門間での連携が難しくなります。

社内の理解を得るためには、プロジェクトを引っ張るリーダーが、目的やビジョンを丁寧、かつ明確に適切な人に、適切な熱量で伝えることが求められます。この「適切な人」の中には、前述してきたビジネス部門は勿論のこと、自分達のプロジェクトをサポートしてもらうという意味において、経営側の理解やバックアップを取りつけておけるとよりスムーズとなります。
 

「3つの力」を意識したチーム作りをする

「3つの力」とは、「見つける力」「解く力」「使わせる力」を指します。「見つける力」とは、ビジネスの課題がどこにあるのかを発見する力を指し、「解く力」は抽出した課題を解決する力を指します。

3つ目の「使わせる力」は、分析から得られた改善策を実際のビジネスに活用する力のことです。これら3つの力を分断せず、すべてを網羅したチーム作りを心掛けましょう。
※参考:大阪ガスにおけるデータ分析専門組織の運営法 ――「見つける力」「解く力」「使わせる力」を兼ね備えたフォワード型分析者集団を目指す | IBM ソリューション ブログ

データサイエンスプロジェクトを構成する人材

アナリティクストランスレーターは、データサイエンティストやデータエンジニアなどの技術的な分野の専門家と、ビジネスの専門家を橋渡しするのが役目です。データサイエンスプロジェクトの成功のためには、データサイエンティストだけでなく、データエンジニアなども配置した機能横断的なチームでプロジェクトを進める必要があります。

プロジェクトの進行では、AIやデータサイエンスの有用性をビジネスインパクトに関係づけるという目的で、アナリティクストランスレーターが最も重要とされています。
 

アナリティクストランスレーター

データサイエンスを実施するには、優秀なデータサイエンティストの確保が重要です。優秀なデータサイエンティストとは、データサイエンティスト協会が定める「データサイエンス力」、「データエンジニアリング力」と「ビジネス力」の3つの能力を兼ね備えた人です。しかし、これら3つを兼ね備えた人材は少ないうえに、獲得競争が激しいため、確保が難しいのが現状です。
また、企業内でデータ活用を推進するには、事業マネジャーとデータサイエンティストが協働できる体制になっている必要があります。そのためには、事業マネージャ―はデータサイエンスで何ができるのかという基礎知識を習得し、一方でデータサイエンティストはビジネス上の業務知識や課題を理解していて、両者が共通の言語(土台)で会話できるようになっていることが必要です。
こうした人的リソースの確保や土台作りのために、社内で研修することもひとつの方法です。
 

ビジュアライゼーションアナリスト

データを可視化し、レポートやダッシュボードを作成する立場にあり、アナリティクスの役割に属しています。
 

ワークフローインテグレーター

ビジネスの意志決定をサポートするツールやソリューションを導入する立場になります。アナリティクスの役割に属しています。
 

データサイエンティスト

データサイエンスのモデルなどを開発します。アナリティクスとテクノロジーの両方の役割に属しています。
 

データエンジニア

データエンジニアは、データを収集し、それを構造化する立場にあります。テクノロジーの役割に属しています。
 

データアーキテクト

現在と将来のデータの品質と一貫性を守ります。テクノロジーとビジネスの両方の役割に属しています。
 

ビジネスリーダー

組織を横断し、データ活用をチーム全体でリードする立場です。ビジネスでの役割に属しています。
 

デリバリーマネージャー

データドリブンなインサイトをエンドユーザーにつなげます。ビジネスリーダーと同じく、ビジネスの役割に属しています。

 

データサイエンスチームのプロジェクトマネジメントは特殊である

データサイエンスチームのプロジェクトマネジメントは特殊です。成功のためにはデータサイエンスとビジネス、両方への理解を深めておくことが必要になります。
 

データサイエンティストへの理解が大切

データサイエンスプロジェクトでは、データサイエンスそのものや、データサイエンティストへの理解がポイントになります。まずは、データサイエンティストに必要なスキルから把握しましょう。
 

データサイエンティストに必要な3つのスキル

データサイエンティストには、「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」「ビジネス力」の3つのスキルが必要です。「データサイエンス力」とは、データの分析設計や可視化する力、機械学習やプログラミングスキルを指します。

「データサイエンス力」は、統計や機械学習に対する論理的な知識やユースケースへの理解を有した上でそれらを使いこなすスキルのことを指し、「データエンジニアリング力」は、機械学習などの開発、データ加工、分散処理などのプログラミングスキルのことを指します。「ビジネス力」とは、プロジェクトのマネジメントスキル、コミュニケーション能力などです。データサイエンティストには、これら3つのスキルを網羅することが求められます。
 

データサイエンティストを育成するメリット

データサイエンティストを確保するためには、「外部調達」「採用」「育成」の3通りが考えられます。

「外部調達」とはプロジェクト単位でリソースを社外に求めることで、メリットとしてコストコントロールが図りやすいことと、最新の技術トレンドを取り入れやすいことが挙げられ、デメリットとしては、社内にノウハウが蓄積されていきにくいことが挙げられます。

一方「採用」と「育成」は社内にノウハウを蓄積することができ、「採用」の方がより時間的に早いタイミングで必要なスキルセットを用意することができます。しかし高いスキルを持った優秀な人材は、採用市場でも需要が高いことから、獲得が難しいという現状もありますし、プロジェクトの成果が出るのか分からない状況の中で、外部から人材を獲得するのはコスト面からハードルが高いとも言えるでしょう。

データサイエンティストを「育成」することは、スキルセットという観点では確かに時間がかかる点はありますが、それまでに社内で様々な業務を経験しているので、ドメイン知識を豊富にもっているとも捉えられ、中長期のタイムラインで見たときに、よりその組織に相応しいデータサイエンスプロジェクトの進行に繋げられるとも言えるでしょう。より長く当該組織に勤務しているので、社内文化/風土への理解が進んでいる点も大きなメリットです。

人材育成でデータサイエンスプロジェクトを成功させる

データサイエンスプロジェクトを成功へ導くためには、事前に課題解決の優先順位を立て、適切な体制を構築しておく必要があります。その鍵を握るデータサイエンティスト人材の確保に、既存人員の「育成」を計画しておくと、前述したように中長期な観点において、より強固な組織基盤を構築することができると言えます。
 
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