データサイエンティスト育成講座 株式会社ブレインパッド

データ活用を促進させる解決策【人材編】

ビジネスを変革させるためのデータ活用には、唯一無二の正解はありません。例えば、統計検定のような試験問題を解く場合を考えてみてください。分析するデータが与えられており、分析ロジックは公式や決まったプロセスがあり、回答として算出する項目(答え方)が指定されています。

では、ビジネスの場合はどうでしょうか?統計分析やテキストマイニング等のあらゆる分析手法を理解し、多様なデータを分析することができたとしても、その分析結果がビジネスを変革する確率が高いとは必ずしも言い切れません。データを分析することと、分析結果をビジネス上の課題解決に役立てるように活用することは別のものです。なぜならば、データ分析によりデータ間の関係(相関関係)は明らかになりますが、データの因果関係はわかりません。

相関関係: ある変数が変化すると、他方の変数も同時に変化する関係
たとえば、背が高い人ほど体重も重いというのは、体重が重ければ背も高い傾向があるので、相関関係となります。
因果関係: ある変数が、他方の変化を引き起こす関係(一方通行の関係、原因と結果)
一方で、台風で航空便が欠航、というのは原因と結果がはっきりしています。
また、航空便が欠航したので台風がきた、とはなりません。こうした一方通行の、原因と結果の関係が因果関係となります。

ビジネス上の課題解決に役立てるためのデータ分析に絶対的な正解アプローチや原理原則のようなものは存在しません。ただし、データ分析のヒントは、身近なビジネスの現場や日々の日常で直面する問題の中にあります!そもそも、ビジネスで行うデータ分析の目的は、「分析結果を意思決定に役立てて、ビジネスに貢献する」ことであります。ビジネスを変革する!業務上の課題を解決する!仕事を効率化する!、など設定した目的から外れないように進めていくことが成功の鍵となります。

ブレインパッドのデータ活用人材育成サービスでは、データ分析プロフェッショナルの育成だけをゴールとはしておりません。私たちの描く人材像とは、ビジネスに活かせるデータの活用スキルを身に付けていることです。

ここではデータ分析をビジネスに活用する流れを軸に、その流れを作るためにはどのような力(ちから)が必要となるかをご紹介します。
【データ分析をビジネスに活用する流れ(出典:河本薫著「会社を変える分析の力」)】

ビジネス課題を「見つける力」


この力とは、データ分析をビジネス上の課題解決に活用する機会を見つける力を意味します。
身の回りに存在するデータをどう分析するか?という観点ではなく、ビジネスサイドに立ち成果につなげるための着眼点を持って機会を見つけ出す必要があります。しかし、ビジネス上の課題とは、不明確であり潜在的でありますので、その機会は簡単には見つからないのが実情です。そのために、ビジネスの現状や展望への関心とデータへの好奇心を併せ持ちつつ、データ分析によりビジネスを改善させたい!というマインドが、データを活用したさまざまなビジネス改善を展開する機会を見つけ出すことにつながると考えています。

しかし、ビジネス改善につながりそうなデータ分析といっても、課題解決の実現性が乏しかったり、解決後のビジネスインパクトが小さくては質の良い機会とは言えません。このようにある程度の見通しを立てることで、価値あるデータ活用を実現できるような機会をこの段階で見極めることは非常に重要です。ビジネス課題を見つけるためには、ビジネスの理解であったり、自社が保有するデータを把握しているだけでは十分ではありません。分析によって課題の解決に繋げられるかの実現性までを見通すための、ある程度のデータ分析リテラシーも求められます(注)。

(注)ここで言う分析リテラシーとは、数学的な理論の理解ということではありません。分析手法(統計分析や数理計画など)の概要を理解できる程度を指しています。

ビジネス課題を「見つける力」に必要なスキルや知識の例:

  • ビジネスドライブ
  • ビジネスドメイン
  • クライアント業務
  • コミュニケーション(ワークスキル)
  • 質問/聞く/引き出す/懐に入り込む
  • 何が分析で解決可能か?
  • IT

ブレインパッドのデータ活用人材育成サービスは、この「ビジネス課題を『見つける力』に必要なスキルや知識」を身に付けることを意識したプログラム構成をご用意しています。

【公開講座】グループワークによる課題演習を実施することにより、実際に体験していただきます。
【企業研修】クライアント企業様の個別環境に沿ったセミナー/講座/アドバイザリを通じて、ご支援します。

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分析問題を「解く力」


データ分析をビジネスに活用するストーリーとして、ビジネス課題を見つけ出すことができたら、次は分析問題を「解く力」を発揮します。この力とは、言葉通りデータ分析で問題を解く力を意味します。手元にあるデータを分析理論に従って正しく作業すれば自ずと有益な答えが導かれると思われがちですが、それは間違いです。先述の通り不明確であり潜在的なビジネス課題を解決することが「解く力」の目的なので、分析技術をビジネス課題に沿わせながらその解決に向かって確実に思考していくことが重要です。

ここに、データ分析が失敗するときの原因トップ3があります。

  1. 1.分析で解決する課題設計
  2. 2.解決プロセスのシナリオ作り
  3. 3.分析結果の施策への落とし込み

データ分析で失敗しないために、意識したいポイントを1つずつ説明します。

1.分析で解決する課題設計

ビジネス課題を「見つける力」ではまだ曖昧な状態の課題ですが、ここで分析の課題として具体的に設計をします。
課題設計で必要なことは、分析結果が意思決定としてビジネスの課題解決に役立つような形にすることです。創業来800社超の企業のデータ活用を担ってきたブレインパッドは、分析課題の設計を重視しています。ビジネスに活用できる形でデータの価値を見出さなくては、データ分析そのものが無意味となってしまうからです。ビジネスの現状や展望、市場動向、そしてビジネス担当者の意見などを把握し理解することによって、ビジネスに活用する形を想定し、課題設計を進める必要があります。「解き方の手掛かりは、ビジネスの現場にある(出典:河本薫著「会社を変える分析の力」)」とありますが、本質を突いた的確な表現であると思います。

2.解決プロセスのシナリオ作り

設計した分析課題と収集したデータをつなぎ合わせるものが、解決プロセス(分析手法)です。
ここはデータ分析担当者(データサイエンティスト、データアナリスト)の真価が問われるフェーズでもあります。
しかしながら優秀なデータ分析担当者であっても分析ゴールを見失ってしまうことがあります。
それは、分析手法を極めることばかりに意識が回り、予測精度が非常に高いモデルを構築して、その特定のスタッフ以外には解釈が困難な分析結果を導き出してしまう、という落とし穴です。これではビジネスに活用したい!という本来の目的からは逸れてしまいます。解決プロセスを構想するにあたり、より多くの引き出しを持つことは、データ分析をビジネスに活用する上で成功するための必要条件ですが、ゴール目的を見失わないように意識することも重要です。

3.分析結果の施策への落とし込み

分析プロジェクトにおいては、たくさんの報告資料や分析報告書が作成されます。分析現場でよく発生する事象として、分析プロジェクト終了後に分析報告書が一部の担当者だけの資産として埃を被って残っているシーンを見かけることがあります。ビジネスの現場では分析担当者と意思決定者が異なることが多いため、分析結果が意思決定者に正しく伝わっておらず、報告のための分析で終わってしまっていたり、最悪のケースでは分析結果が誤った解釈をされた揚げ句、誤った方法で活用されることもありえます。このような問題を避けるには、データ活用により解決したいビジネス課題について、事業担当者をはじめとする利害関係者(ステークホルダー)とデータ分析担当者が積極的にコミュニケーションを取り、データ分析によって実現したいターゲット(目標や課題)を明確化することが重要となります。繰り返しになりますが、データを解く手掛かりはビジネスの現場にあります。せっかくのデータ分析が無駄に終わらないように、現場の知見を積極的に取り入れることがデータ分析の可能性を広げることにつながります。

分析問題を「解く力」に必要なスキルや知識の例:

  • 数理統計
  • 分析設計
  • エンジニアリング
  • ドキュメンテーション
  • コミュニケーション

ブレインパッドのデータ活用人材育成サービスは、この「分析問題を『解く力』に必要なスキルや知識」を身に付けることを意識したプログラム構成をご用意しています。

【公開講座】統計学の基本的な考え方と確率モデルから始まり、深層学習の基礎まで、レベルに応じた講座をご用意しています。
 ※コードをご用意しており、高度なプログラミングは行いません。
 ※講座を受講いただくことにより、データ活用によりビジネス課題を解決することを体験し実践力を身に付けていただくことを重要視しています。
【企業研修】クライアント企業様のスキルレベルと目標レベルに合わせたご支援をします。

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分析結果を「使わせる力」


データ分析をビジネスに活用するために必要な力の3つ目は、データ分析で得られた情報を実際のビジネスに「使わせる力」です。つまりは、実行力とも言い換えられます。

ビジネスへの活用においてデータ分析が価値を創出できたかどうか、を判断するポイントがこの「使わせる力」を実行・実装できたかどうかということです。使わせるとは実行するという意味ですが、実行の引き金を引くのは、ビジネス現場のマネージャや経営層による「意思決定」です。すなわち、データ分析の結果が意思決定を促すことにつながれば、価値を見出せたということになります。ビジネス目線で物事を捉え、意思決定者と同じ目線でデータ分析を総合的に考える姿勢が求められます。逆に言うと、分析手法の概念を理解し、データ分析結果を洞察できる力がないとビジネスにおける適切な意思決定をすることはできません。

ただし、データ分析がビジネスの意思決定において絶対ではないというのも事実です。それは、データ分析が全てのビジネス課題を解決手段として十分に機能しないケースもあるからです。そもそも間違った解決プロセスを踏んでいたり、データリテラシーが不十分な人が分析結果を間違って解釈することは容易に想像できます。よって、間違ったデータ活用によりビジネスを悪い方向へと変革してしまわないように、データ分析担当者にはミスは許されませんし、意思決定をするデータ分析結果を使う側にも最低限のデータリテラシーが求められます。これらのことから、データ分析の実行フェーズにおいて、さまざまなリスクを低減するためにも機能的な組織を編成することが、データ活用をビジネスに活かせる強い企業体質改善につながります。

分析結果を「使わせる力」に必要なスキルや知識の例:

  1. ビジネスドライブ
  2. ビジネスドメイン
  3. 業務(業務フロー設計、社内力学)
  4. コミュニケーション
  5. IT

ブレインパッドのデータ活用人材育成サービスは、この「分析結果を『使わせる力』に必要なスキルや知識」を身に付けることを意識したプログラム構成をご用意しています。

【公開講座】課題の設計、データ分析/モデル作成をし、出力された結果を理解し、課題を解決するための施策へと落とし込み、そして最終的にはプレゼンテーションまでを実施することで実践力が身に付きます。
【企業研修】クライアント企業様固有の人材育成ゴールを設定します。

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